ホブ
ホブは最高の能率で歯車加工ができるため自動車・建機・産業機械や船舶・航空機等の動力伝達用歯車加工に広く用いられています。
外径・全長・穴径・溝数等の寸法および工具材質・コーティング等、最適な組合せによる製作が可能で、インボリュート歯形以外の円弧・サイクロイド・スプロケット歯形等の非インボリュート歯形にも対応できます。
また、小径の柄付きホブ、大径の超硬ギャッシュミルカッタも製作が可能です。
当社が開発した「スーパードライコーティング」を切刃面に施したハイスホブによるドライカットは、切削油レス効果による作業環境改善に加え、切削速度250m/min以上でも高速加工が可能となり、多口化とあわせて高能率加工を実現できます。
スーパードライⅢホブ
ハイス高速加工の限界へ! “ スーパードライIII ” コーティングホブ
切削速度250m/min 以上の高速切削でサイクルタイム短縮、工具長寿命、高精度加工を実現

特長
- スーパードライIIと比較し、耐酸化温度を高めることにより、高温での皮膜硬度の低下を防止し、耐摩耗性を更に向上
- 皮膜構造の改善により、膜の強度と結合力を高め、母材との密着力を向上
加工事例
ワーク | モジュール 2.25 |
---|---|
圧力角 | 17.5° |
歯数 | 52 |
ネジレ角 | 23°LH |
材質 | SCM415(HB180) |
ホブ | 外径 75mm、材質 MACH7 |
口数 | 3口LH |
切刃溝数 | 14溝 |
スクイ面コーティング付 | |
切削条件 | 切削速度 250m/min |
アキシャル送り | 2.4mm/rev |
同巻きクライム、ノーシフト |


工具磨耗状況(80個加工後)
スーパードライIII

- 歯形精度 X 500 X 4

スーパードライII

- 歯筋精度 X 500 X 2

ホブ切りによる加工
ホブ盤にホブを取付け、ホブとワークをラック&ピニオンの関係に配置し、双方を同期回転させ、ホブをワークの歯幅方向に送るだけで高能率に高精度な歯車を加工できるため多用されます。

ホブは無限の歯数のギヤ、または1枚のギヤとみなすことができる。
ホブが1回転するとワークの1歯が創成される。

ワークの歯幅方向にホブを送る。
ホブの口数を多くすると加工能率が上がるが創成に関与する切れ刃が減るので多角形誤差が大きくなる。
機械の剛性・馬力が必要となる。
ホブの歯切り方法
コンベンショナルホブ切り

ワークの上端面側から下端面に向かってホブが進む。
クライムホブ切り

ワークの下端面から上端面に向かってホブが進む。
刃付の注意点
「刃付」とは、摩耗した切れ刃面を研削して除去することを言います。
正しく刃付されないとホブ精度が悪化し、以下のような不具合を起こします。

Δγδ=ホブ側面二番角(tanΔγδ=tanε・tanαn・cosγ)
αn=ノーマル圧力角
rρ=ホブピッチ円半径
ε=外周二番角
γ=ホブ進み角
切削負荷変動による影響


ホブ取付角誤差と歯厚


ホブ口数と多角形誤差
